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『ソラトくん。好きです。付き合ってください』
高校2年の夏。まだ幼くて自分しか見えていなかった私は、サッカー部のエースで、学校のアイドルと言われていた同級生の彼に告白をした。
肩までの真っ黒な髪にシルバーのメガネ。
お世辞にも可愛いなんて言えないし、女の子らしさもなかった。
今思えばどうしてあれほど雲の上の人に告白する気になどなったのだろう。
彼の周りには華やかな女の子がたくさんいた。
それを知っていたのに。
それでもキラキラとサッカーに真剣に打ち込む姿に私は惹かれた。
『俺は絶対にプロのサッカー選手になる』
そう友達に話す姿はとてもかっこよくて、自分にはないものを持っている気がしていた。
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