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「先輩って誰?」
そう言いながらからかうように笑いながら、私の頭を撫でまわす。
「こんなちっこい先輩、先輩じゃないだろ?」
「小さいことは関係ないでしょ?」
雨でただでさえまとまりの悪い髪をぐちゃぐちゃにされ、私は文句を言いつつ髪を手櫛で整える。
「年だって雫紀の方が年下じゃん」
先輩と呼ぶように注意をすると、千堂はふざけたように私を名前で呼ぶ。
それが恥ずかしくて、嬉しくて私は照れ隠しのように怒ったふりをした。
「やめてよ。この名前嫌いなんだから」
シズキという珍しい名前な上に、〝雫”という漢字は落ちるイメージがあり私はあまり好きではない。
これは本当のこと。
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