替え歌集『おかしな和歌詞屋さん』

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うおおおおお? 前ページが意外と好評!?これは嬉しい。 俺はあくまで『作詞家になれなかった人』なのですが、調子に乗ってもう少しだけw 『ハナミズキ』という歌を皆様ご存知だと思います。今でも良く歌われる一曲です。 俺も初めて聴いた時に大ヒットの予感がしました。 しかしこの歌、どういうテーマなのでしょうか?サビ以外の歌詞が難解なのです。 ネットで調べた事がありますが、やはり歌詞の解釈が難しいという記事がありました。 911事件の後で作られたそうで、世界の平和を願う歌だろう、と言われていますが、実際MVを観るとそんな気がします。 俺個人としては、 『僕から気持ちは重すぎて 一緒に渡るにはきっと船が沈んじゃう』 『僕の我慢がいつか実を結び、果てない波がちゃんと終わります様に』 等からして、 『誰かと結婚していく、好きだった女性に男性が贈る歌』 だと思っていますが、本当の所は分かりません(くやしい) この様に、 『正確な意味は分からないけど、なんか良い、なんかカッコいい』 という、不思議な歌詞を書く方がけっこうおられます。詞と言うより詩に近いのです。 上手くやればとても魅力的な個性になります。 詩的な歌詞を書く人と言えば村下孝蔵氏が大好きなのですが、この方の場合は分かり易く、日本語は綺麗だなと思わされる歌詞になっています。「初恋」なんて読むだけで泣けるw 難解な歌詞の代表は昔から井上陽水氏ですね。 例えば『アジアの純真』分かる様な分からない様なwまあこの方は、デビューした時の芸名が『アンドレ・カンドレ』で、デビュー曲が『カンドレ・マンドレ』というくらいで、俺如き凡人には理解出来ない天才なのだと思いますが。 桑田佳祐氏も最近はそうでもないですが、かつては一風変わった歌詞を聴き取りにくい巻き舌で歌う事で有名でした。 しかしこれは英語にも聞こえる歌詞と歌い方という、ある意味発明で、当時ロックに日本語の歌詞はいらないんじゃないか、と言われていた事に対する一つの答えだと思います。 ボーカルを楽器の一つとして捉えた、とも言えるかも。 こういう類の歌詞を書く方はほとんどが自分で作詞作曲をして歌うシンガーソングライターです。 本人の強烈な個性あってのものです。 作詞専門のプロは、そういう企画でもない限り(今は「電波ソング」なるものも存在しますが)だいたい分かり易い歌詞を書かれます。 全盛期の松田聖子さんの歌のほとんどを書いた松本隆さまと言う大作詞家がおられますが、まさに教科書と言えると思います。 そして、専門の作詞家が作詞した歌というものはどんどん減っています。 なんか最近は全部自分でやって当たり前みたいな風潮もありますね。 元々、作詞だけで生活している人は10人もいないと言われていた世界なのです。 俺の修行時代、シングルレコードは1枚700円でしたが、新人作詞家の場合の印税は1枚あたり1円と聞きました。ヒットすればカラオケ等で雪だるま式に印税が入る訳ですが、現在ならAKB以外の作詞家さんはそりゃ生活できません。 「流行歌」なのだから、昔の作詞家とは違ういろんな個性ある歌詞が流行りなら、それも仕方ないかと思います…… 流行りと言えば、歌の中で描かれる人物像にも流行りがありますね。 俺が習った頃は、男性で言えば 「昔は加山雄三タイプ……背が高くて頭が良くてスポーツマン、心優しき二枚目。 次に西城秀樹タイプ……上記に野性味、情熱とユーモアをプラス。 次に近藤真彦タイプ……昔はやんちゃだったけど今はマジだぜ、でもちょっとかわいい。 そして来生たかおタイプ……君が遠く離れても、僕は君をずっと見守っているよタイプ」 その後、恋と夢の狭間に悩むミスチルタイプが流行り、主語も俺より僕の方が多くなりました。おそらく唯一、俺と僕の両方を使っていた尾崎豊氏の歌で、僕の方が今も高評価で、俺の方がネタにされたりするのも時代なのかも。 最後に、作曲と編曲の違いについて。 (小泉)意外と知られてないんですけど~。 作曲とは基本的に、ボーカルが歌う主旋律を作ること。 編曲とは、それ意外。 イントロから最後まで。リズムは何拍子で、出だしはこの楽器でこう行って、ここでこの楽器を使って……と、一曲を完全に仕上げる仕事です。 イントロを聴いて「作曲がいいなあ」というのは編曲家がかわいそうなのです。 もちろん曲によりけりで、作曲の方や演奏者が編曲に指示したり協力している事も多いはずですが。 もしも楽器に詳しかったなら、大変そうだけど絶対楽しい編曲家(アレンジャー)、やってみたい所ですよね♪ そして小説を書く事は、今にしておもえば作詞家より編曲家に近いのかも。 ここで主人公に歌わせて、ここで伏線!ここでリズムが変わる!みたいな。 なかなか上手く行かないけど、楽しいのよねw あー、また長々と書いてしまいました。 それではまたお会い出来る日まで。 さいならwさいならwさいならwww
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