15人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
その夜。
空を飛ぶお婆さんが、見慣れたアパートの前にやって来た。二階の一室の窓が開いている。
「なにあの娘、また窓開けっ放しにして!」
箒を操作して窓から入ると、暗闇の中微かに男女の戯れる声が聞こえた。
お婆さんはニンマリと微笑んだ。小声でつぶやく。
「おや、運命の人見つけられたようだね?!あんた、やればできるじゃないの。末永くお幸せに……」
そう言うと、窓をそっと閉めて箒に乗り「よっこいしょ」と飛び立って行った。
最初のコメントを投稿しよう!