魔法使いのお婆さん?

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魔法使いのお婆さん?

 読み終えた美咲はむむぅ?と鼻息も荒く、 「もし、そんなに簡単に運命の相手がわかったら、全力プッシュしようじゃないのぉ! ……でもさ、そんなのわかるわけないじゃない……」  最後は尻つぼみな声になり、再びベッドから起き上がるとゴクゴクと梅酒サワーを飲み干した。 「あうぅー美味ちぃよぉ。生き返るわぁ。あ、死んてないけどねぇ」  酔いの回る頭で自分突っ込みする。  それから次の小説を読み始めた。  しばらくすると、手からスマホが落ちた。クゥクゥ……寝落ち。  そこへ、開けたままになっている窓から、すぅーっとホーキに股がったお婆さんが入ってきた。  お婆さんの足元はホームカバー。パッチワークキルト風の柄でフワッとしたロングスカート。夏でも冷え防止と思われるレギンスのレースがチラリと覗いている。髪はシルバーヘアでパーマをあてているのかチリチリの爆発寸前。頭の上に黒い小さなトンガリ帽をちょこんと乗せている。スカートとお揃いの生地のマスクをつけている。  ふくよかなお婆さんは「ふう、よっこらしょ」とくぐもった声でつぶやきながらホーキを壁に立て掛けた。  ベッドの美咲を見つめると、 「酒飲んでくだまいてる女はここかい?」
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