1章

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学校から帰ってきて、冷たいフローリングの上に寝転がりながら考える。  歴史を好きにさせるには⋯⋯。  時代的にどこをやればいい? やっぱり、ファンの多い戦国時代?  でも、私は戦国時代を面白く語れるほど知らない。  戦国時代を書いた面白い本なら知ってるけど⋯⋯。却下されたしなぁ。本。  歴史。建築物を見に行く⋯⋯。それだったら、少しは歴史に親近感持ってもらえるだろうか?  歴史の建築物か。どこ連れていこう……。  幸い、私の住んでいるところは昔の都である京都からあまり離れていない。  住んでいるところ自体が天下の台所だから、歴史的建造物は沢山あるだろう。  1番有名な……大阪城?でもなぁ。  唇を軽く噛む。  あそこには、個人的に苦い思い出があるから、あまり好きではないのだ。  あの昔の名残がかけらもないホテルのように綺麗な内観を思い浮かべる。  うん、やめておこうかな。  京都でいうと、二条城?とか……後は神社仏閣に行くのもいいかもしれない。  神社仏閣でいくと、南禅寺とかいいかもしれないな。  ここから、そんなに距離も離れていない。  蹴上駅で降りて……。  頭の中でプランを組み立てながら、鈴木にLimeを送る。  了解!と敬礼をしたクマのスタンプがすぐに返ってきた。ほっと息を吐き、Limeを閉じる。  さて、じゃあ行く日までに計画を立てないと。
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