プロローグ

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事件が起こったところも、あの姿の鈴木も知っていたはずなのに。自分のしたことについて後悔したのは、家に帰り、布団の中に潜ったとき。  その時に初めて自分が調子に乗っていったことが、間違いだったのではないかと思い始めた。  自分は間違いを犯してしまったのではないだろうか。……いや、そんなはずはない。  もし、自分の言ったことは間違いだとしても、それは鈴木に対する正当な復讐だ。私は悪くない。  いくら思い込もうとしても、浮かんでしまったものは自分の頭の中から消えてくれることはなく、それは私の中に付きまとった。  ――そして、それは今も付きまとっている。そう、高校生となった今でもだ。
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