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手すりをガッとつかみ、階段に座りながら一段一段おりる。幸いなことに、後ろには人がいなかったため、落ち着いて降りることができた。
ほっと息を吐くと、視線を感じ鈴木を見る。
「⋯⋯なに? 」
「いや、お店どこ行くのかなと」
「食べに行くところかぁ。おばんざいとかって好き? 」
「おばんざいか。嫌いではないよ」
「じゃあ、そこ行こうか」
◆
お腹いっぱいになった腹をさする。⋯⋯思ったよりも量が多かった。
でも、鈴木にとっては丁度いい量だったようで、満足げだ。
のんびり湯飲みでお茶を飲んでいる鈴木を見る
「もうそろそろ出る? 」
「あぁ、そうだな」
店の会計を済ませ、外に出る。
「今から、平安神宮に行こうと思う」
「平安神宮……平安京があったところ? 」
「うん。ここから神宮通りまで五分もかからないから」
「そうなのか? 」
頷くと、鈴木がなるほどと言いながら頷いた。
「じゃあ、行こうか」
歩き始める。
「⋯⋯平安神宮ってやっぱり平安時代に建てられたのか? 」
「それがね、違うんだよ」
今日までに平安神宮について、調べてきたことを思い出しながら話す。
「私も平安神宮って、平安時代に建ったものとばかり思ってたんだけどね、建ったのって明治時代なんだって」
「明治時代? それまたなんで⋯⋯」
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