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「明治維新で衰退した京都の町おこし事業として建設されたらしいよ」
道を右に曲がるとそこはもう神宮通り。
曲がった瞬間に大きな赤鳥居が見える。
……いつ見てもやっぱり大きいな。
ありきたりな感想しか思いつかない。でも、それぐらい大きいのだ。この赤鳥居にはいつも圧倒される。
横を見ると、鈴木が驚いたように目を瞬かせていた。
「大きいな」
「うん」
車道を跨ぐようにして赤鳥居は立っている。
神宮通りは雑貨屋や和菓子屋が道沿いに建っていて、見ていて楽しい。
赤鳥居のその先へ行くと、美術館等が立ち並んでいる。
「美術館か……行かないな」
「私もそこまで頻繁には行かないなぁ」
「……行ってみたら楽しいかもな」
「そうだね」
「今度行くか?」
え、と声が出そうになり、慌てて飲み込む。
それは、どういうことだろう。つまり、私と2人でっていうことだろうか?
時間指定もされていないし、断わるのは難しい。
「考えておくよ」
結果として、私は答えを先延ばしにするような返答をした。
……なぜ、私を誘うのだろう。
ひとつの理由が最近、ずっと私の中にこびりついている。それを肯定してしまえば、鈴木の行動すべてに説明がつく。
でも、それを認めるわけには行かないのだ。
だって、認めてしまえば私はおかしくなってしまう。
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