24人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
「うーん、どうしようか。というか、斎藤は参加しないの? 」
「私は参加しないよ。そもそも誘われてすらいないし」
鈴木と関わるのも今日が最後だと決めた。それなのに、関わるわけにもいかないだろう。
「それは、ただ単にクラスLimeに入ってないからじゃないか? 」
「だとしても、行かないかなぁ」
「⋯⋯そうか」
「鈴木は? 」
「俺? うーん、やめておこうかなぁ」
「迷ってるなら行ったほうが良いよ。そっちの方が絶対楽しいって。集まれる機会なんてこれからもっと減っていくんだよ! 」
胸の前にこぶしを作り力説する。
「いや、それだったら斎藤にも当てはまるだろ」
「私は行くか行かないか迷ってない! 行かないって決めてるもん! 」
「あ、それもそうか」
「うん! 」
勢い良く頷く。
「なんで、斎藤はそんなに必死なの」
「え? なんとなく? 」
鈴木が呆れたようにこっちを見る。
「なんとなくか⋯⋯」
「うん、なんとなく」
鈴木がため息を一つ落とした。
「行ってこようかな⋯⋯」
「行ってらっしゃい! 」
「⋯⋯斎藤は本当に俺を行かすのに乗り気だな。何か企んでる? 」
「そんなことないよ! 」
「本当か? 」
「ほんとほんと」
⋯⋯まだ鈴木に疑わしそうな顔で見られている。
鈴木から目をそらすと、目の前に真っ赤な応天門があった。
最初のコメントを投稿しよう!