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そっと目を開けると、隣で人が動き気配がした。
「終わったか? 」
鈴木に向かって頷く。
「随分長い事願い事をしていたみたいだけど、何を願っていたんだ? 」
「んー、内緒。鈴木は? 」
笑って誤魔化す。作り笑いができるようになった経緯は褒められるものではないけど、こうしているとやっぱり便利だと思う。
「じゃあ、俺も内緒で。おみくじあるみたいだけどする? 」
「うん、せっかくだし」
おみくじを持ち上げる。
「いつも思うんだけどさ⋯⋯」
おみくじを両手で横にがっさがっさ振る。
「ん? 」
「おみくじって結構重いよね」
「⋯⋯ごめん、俺はそれわかんないや」
「え!? おみくじって疲れない? 」
「いや、俺は全然疲れない」
鈴木は手際よくおみくじの棒を出す。
「というか、斎藤が力なさすぎなんじゃないか? もう少し筋トレしたら? 」
「筋トレか⋯⋯。疲れるの嫌だな⋯⋯」
「⋯⋯斎藤の運動嫌いは相変わらずだな」
「⋯⋯こればっかりはね」
がっさがっさと引き続き振っていると、もう既に棒を出した鈴木が呆れた声を出した。
「……それ逆に振りすぎなんじゃないか? それとも筋トレしてるのか? 」
「そんなわけないでしょ! 真面目に出そうとしてるよ! 」
「……なら、1回振るのやめてみろ」
「振るのやめたら出ないんじゃ……」
「いいから」
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