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渋々止めるとあっさりと棒は出てきた。
「だから言っただろ? 」
「……なんか虚しい」
筋肉痛になっているんじゃないかと疑惑を持つほどに痛い腕をふるふる震わせ、おみくじをおく。
「たまにアホだよな。斎藤」
「鈴木よりアホなのは認めるよ」
事実、1年の頃鈴木の方が成績がよかった。
「学力的な話じゃないぞ? 」
首を傾げると、呆れたようにため息を疲れた。
実に心外だ。
「行動の話だよ」
「……うっさい」
突然、笑い声が聞こえた。私たち以外に参拝客はいないはずだ。
周りを見渡すと、お守り売り場にいる巫女さんに笑われていた。
……恥ずかしい。
恥ずかしさをこらえつつ、巫女さんに番号を見せておみくじをもらう。
すぐさまおみくじを開けた鈴木が固まっていた。
「どうしたの? 悪かった? 」
固まっている鈴木の横に立ち背伸びをしてのぞき込む。
「うわー、微妙⋯⋯」
そこには吉と書かれていた。
「恋愛が⋯⋯」
鈴木がボソッとつぶやく。
「恋愛? 」
その欄を口語訳すると、彼女出来るの遅いよ。まぁ、苦労するだろうけどいつかはね⋯⋯。というような内容が書いてあった。
「遅いけど来るって書いてるよ。そんなに落ち込むことないって。まぁ、高二にもなったら彼女の一人や二人ほしい物だろうけど」
「⋯⋯彼女は一人だろ」
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