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テンション下がった鈴木からやる気のないツッコミが来る。
「言葉の綾だよ」
「そういう斎藤はどうだったんだよ」
「私? 私は」
おみくじを開く。
「あ、大吉だ」
願い事の欄を見る。叶うと書いてあった。
「⋯⋯大吉の割にはうれしそうじゃないな」
「え? そんなことないよー」
手をひらひら振りつつ、鞄から財布を出す。
「大吉だし、財布の中に入れておこうかな。鈴木は? 」
「俺は結ぶ」
「うん、じゃあ結びに行こうか」
おみくじを結ぶところはすでに白い紙で埋まっていた。それだけ参拝客が多いということだろう。
高い場所は比較的まだすいている。鈴木は楽々とその場所に手を伸ばした。
「⋯⋯左手で結ぶといいらしいよ」
「本当か? 」
「本当」
といっても、漫画からの知識なのであやふやだ。
鈴木は右利き。左で結ぶとなると相当苦労するだろう。
そう見込んで見上げていると、そつなく鈴木は左手で結んだ。
「⋯⋯器用だね。鈴木右利きじゃなかったけ? 」
「いや、基本右だけど両手使えるんだ」
「⋯⋯スイッチハンド? 」
「そういうことになるな」
「なんで、右利き使えるの? 」
「小学生の頃って無茶な遊びするだろ。で、骨折する」
「あぁ」
確かにクラスの男子がよく松葉づえをついていた。
「それで、右手骨折したことがあってその時にな」
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