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急に鈴木から距離を取る。その方法ももちろん考えた。でも、それはすぐに無理だと判断した。
鈴木から離れる覚悟がまだ私にできていないというわけではない。
覚悟はできている。覚悟ができているからこそ、鈴木と急に離れない方法を選んだのだ。
完璧に、完膚なきまでに縁を断ち切るために。
少しずつ、少しずつ距離を離していったほうが自然な形だろう。
だから、今はそっけなくしているのだが⋯⋯。
「⋯⋯なんでついてくるの? 」
隣で長い脚を利用して、速足で歩く私に普通に並走する鈴木に問いかける。
「え? 俺も購買行くからだけど? 」
「嘘つけ」
「斎藤、口悪いぞ」
「ついつい。でも、さっき鈴木がいた集団、学食行くって話してたよね? 」
「俺は購買で買って、食堂で食べるんだ」
「⋯⋯嘘だ」
「なんで、嘘だと決めつける? 」
「だって、前言ってたじゃん。学食は量が多くて、お得だけど、購買はたくさん買わないといけないから全然お得じゃない。購買は使わないって」
「⋯⋯まぁ、それはな」
「今、ごまかした? 」
「気のせいじゃないか? 」
「違うと思うけど」
更に足のスピードを速める。鈴木は難なくついてくる。
足のスピードで振り切るのは無理らしい。
「⋯⋯本当に購買で買うの? 」
購買は驚くほど並んでいた。
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