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ちらりと様子をうかがうと、ここまでだと予想していなかったのか鈴木はわずかに驚いていた。
「⋯⋯あぁ」
気を取り直したように頷く。
最初から、購買で買う予定じゃなかっただろうに。
ため息をつきそうになり、慌ててこらえた。
「そう」
列に並ぶ。鈴木が私の横に立つ。
「何買うの? 」
「⋯⋯何か、おすすめあるか? 」
「おすすめ? そうだな⋯⋯サンドイッチとか? 」
「サンドイッチか」
「コロッケとタマゴのサンドイッチ」
「じゃあ、それと⋯⋯あとは適当に頼むか」
無言の空間が続く。周囲は騒がしいのに私たちだけ無音だ。
居心地の悪さを感じる。
身じろぎすると、鈴木が話し始めた。
「斎藤、考古学興味あるって言ってたよな」
「考古学っていうよりは古代生物学? 」
「あぁ、そうだった。いわゆる恐竜とかマンモスとかそのあたりだよな」
「うん」
「この前、先生と話してたらさ、たまたまその分野に知り合いがいる先生がいて」
「へぇ、そうなんだ」
「会ってみるか? 」
会いたいか会いたくないかで言えば⋯⋯あれ? どっちなのだろう。
簡単に白黒着くと思っていた答えは、白黒ではなくグレーの状態で私の中で固まった。
「迷ってる? 」
「迷ってなんか」
ない。そう言おうとした声は空気に触れる前に私の口の中で消えた。
「迷ってるのか」
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