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ニカッとトレンドマークであるポニーテールを揺らして凛ちゃんは笑った。
「久しぶり。1年以来だね」
小、中と一緒だった凛ちゃんとは高校で別れてしまった。かれこれ会うのは高校入りたての時に会ったっきりだ。
「あぁ、もう1年になるのね。どっかカフェでも入る? 」
「うん」
「なら、おすすめのカフェがあるの」
颯爽と歩き出す彼女についていく。
「鈴木と翔真とは今でも仲いいのよね? 」
少し口ごもる。
鈴木は今、避けている真っ最中だし、伊藤君とはそもそも仲良くはない。
でも、これだけ長い付き合いだ。凛ちゃんと伊藤君が両片思いだということは知っている。もしかしたら、もう付き合っているかもしれない。
それを思うと下手なことは言えなかった。
「うん、仲いいよ」
精一杯の笑顔でいう。
「へぇー、そう」
凛ちゃんは少し止まったあと、満足気にうなづいた。
「ここよ」
立ち止まった所は、カフェと言うよりは喫茶店のような空間だった。
「凛ちゃんにしては、意外なところだね」
「そう? 」
「うん、だっていつも洋風なところでしょ? だから、こういう所は珍しいなって」
「そういえば、そうね。ここは、桜が好きだと思うわ」
「それは楽しみだな」
店に入ると、心地よい音量でクラッシックが流れていた。
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