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「なにが……」
冷や汗が伝う背中とビクビク怯える自分の心をぎゅっと封じ込めて、満面の笑みを浮かべた。
「あったのか忘れちゃった! 」
凛ちゃんは恐ろしく真顔だ。さっき浮かべてた可愛らしい笑みの面影もない。
かと思うと、凛ちゃんは少し悲しそうな表情を浮かべた。
「桜、私はそんなに頼りない? 」
「え? そんなことは……」
「だって、相談してくれないってことはそういう事じゃない? 」
「そんなこと」
あれ? そういうことになるのか……?
分からなくなってきた。
桜ちゃんは私の友達の中で1番付き合いが長い。
……私が鈴木に虐められていたことも知っている。
唯一、何も隠すことのない友人のはずなのだ。
あの時あった事故の目撃者でもあるし。
なのに、なんで?
思考をぐるぐるまわしてやっと気がついた。
私は後ろめたいのだ。なんで、後ろめたい?
それは……
「桜? ごめん、悩ませちゃったわね。言いたくないなら言わなくていいのよ」
「言う」
「え? 」
「決して、楽しい話ではないと思う。それでも……聞いてくれる? 」
「えぇ」
凛ちゃんは笑みを浮かべ、軽やかに頷く。この表情をもしかしたら私が話すことで歪ませることになるかもしれない。
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