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そう思うと手が震えて、弱い私がやっぱり話さなくていいんじゃないかな。その方が波風立てずに過ごせるよと囁く。
そうしたい! そうしたいけど……きっとそれじゃ、だめなんだ。
「じゃあ、先ず……鈴木が小学校の頃事故にあったでしょ」
「事故……あぁ、自転車とぶつかったやつね」
あっけらかんと凛ちゃんは答えた。
「うん、それでその後の私の行動覚えてる? 」
「それはもうしっかりと覚えてるわよ」
凛ちゃんが何回もうなづく。
「だって、あの時の桜の行動は不可思議だったもの。私にとって」
◆凛side
いつものようにうるさい男子が、私の友人の悪口を言う。
腹が立って、振り向きもっと酷い暴言を吐いてやろうとしたが、横を見ると桜はいつもの通りニコニコと笑っていた。
なんで、この状況で笑っていられるのか意味がわからない。
桜になぜ、笑ってられるのか。言い返さないのかそれを聞こうとした瞬間に、桜をいじめる悪ガキの隣にいるやつの声が聞こえた。
「危ない! 」
悪ガキの隣にいるやつはいけ好かないヤツだ。いつも、落ち着いた笑みを浮かべ、周りと一線を引いている。
そんなヤツの初めて聞く焦った声だった。
きっと、悪ガキ関連だろう。
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