2章

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「⋯⋯最初ね、私がお見舞いに行ったのは罪悪感からだったの」 「⋯⋯罪悪感? 」 「うん。事故の日、私たち学校休んだじゃん」 「まぁ、精神的にも参ってたしね」 「そう。で、次の日学校来た時クラスの人が集まってきたの」 「あぁ、そういえば私も集まってきたわ」 「なにか、聞かれた? 」 「なにか? そうね、事故の詳細とか」 「話した? 」 「話したわよ。ある程度は」  あっけらかんと凛ちゃんは答える。 「だって、気になる気持ちは分かるし。やじ馬根性みたいな」 「⋯⋯そっか」 「桜は? 話したの? 」 「⋯⋯話したよ」 「へぇ。まぁ、鈴木は桜と一緒のクラスだったし、質問もすごかったでしょう」 「そうだね、皆結構心配してなくて⋯⋯」 「そうでしょうね」 「え!? 」 「どうかした? 」  凛ちゃんが涼しい顔でコーヒーを飲む。 「今、そうでしょうねって⋯⋯」 「え? だって、一定多数そういう人はいるでしょう? でもって、小学生の頃なんて事故の危険性とか認識してないし」  心配していないという言葉に、少なからず驚いた反応が返ってくると思っていた。  それが裏切られて、もう私はひたすら瞬きを繰り返すしかない。
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