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「基本他人事なのよ。自分の目の前で起こってないし。事故にあった人のけがとか見て、現実のものだと初めて認識するの。私たちも多分鈴木の事故を実際に見ていなかったら、楽観的だったと思うわ」
「⋯⋯確かにそういわれると」
「大方、鈴木の見舞いに行く人が急激に減ったのは、ケガを見て恐ろしくなったからじゃないかしら? 」
「たしかに、一回行った人が二回目は⋯⋯行ってなかったかも」
「現実のものだとそこで分かったのね」
凛ちゃんが何度も頷く。
「で、お見舞いの罪悪感っていうのは? 」
「あ、うん。クラスメイトに聞かれてその時にいろいろ言っちゃって⋯⋯」
「いろいろ」
「鈴木の悪口とか⋯⋯」
その時のことを思い出して罪悪感が色濃くなる。
周りにつられたとはいえ、言ってはいいことではなかった。少なくとも、私は事故現場を見ていたわけだし。
「え? 普通じゃない? 」
「⋯⋯ん? 」
「桜は言っても許されるでしょ。いや、まぁこういうのは言われた本人が許すかどうかだから私が言うのもあれだけど⋯⋯。桜は鈴木から嫌な目にあわされてたし」
納得しかけて、いやいやと首を振った。
「いや、私がしたことはだめなことだよ。許されることではないよ」
自分に言い聞かせるようにそういう。
「そう? 」
「うん。それに、私はもっとひどいことしたし」
「ひどい事って? 」
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