2章

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中間テスト終了後、私は理転することになった。  山中先生いわく、今から新しい生徒を受け入れるというのは中々に教師側に負担をかけてしまうものだったらしく、結構な人数に断られてしまったらしい。  先生には言葉をぼやかして言われたが、要するにそういうことだ。  ということで、山中先生のクラスに私は入ることになった。山中先生のクラスということは、つまり鈴木と伊藤君がいるクラス。  私が鈴木を避けることは一気に難しくなったと言っていいだろう。  良かったことといえば、山中先生といういい担任を手に入れたこと。後は一年生の頃の友達がそのクラスにいたことだろうか。  文系のクラスの友達に、クラスが変わることを告げ、私は理転した。  分かってはいたが、狭い学校内。めったにない処置に注目が集まらないはずもなく、私はいろいろな人から話しかけられ、質問攻めにされた。  良くも悪くも進学校。問題が起こらないとは言わないが、ほぼ問題はなく平和にすぎていく日々。  物語のように何かがあるわけもなく、ただ平穏に青春が減っていく。そんな日常に普段を変える出来事が起こった。  それに興味を持つのは当然のことだろう。  かくして、私は見世物パンダになったのだ。
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