3章

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「うん。亮太がすごく毎回やる気でさ」 「あぁ、鈴木結構勝負事好きだったもんね」 「そう。それで、応援旗ぶんぶん毎回振り回すんだよね」 「あぁ、各グループに一つはある」 「そうそう。それ、振り回しすぎて毎回最後には腕動かせなくなってるんだよ」  伊藤君が愉快そうに笑い声をあげた。  鈴木の話になると伊藤君は楽しそうだ。 「鈴木、向こう見ずだったもんね」 「あと、鈴木が市民体育祭の時、いつも斎藤さんがいるテントまで行ってたの気づいてた? 」  グループごとに熱中症対策も兼ねて、レジャーシートを地面にしきテントが建てられる。伊藤君はそのことを言っているのだろう。  鈴木と私のグループのテントは端と端。かなり離れていたはずだ。  だからこそ、私は安心して市民体育祭を楽しむことができていた。  遠いし、ここまでわざわざいじめに来ないだろうと。でも⋯⋯。 「来てたの? 」 「やっぱり気づいてなかったんだね。毎年、斎藤さんのテントに行ってたよ」 「⋯⋯そうなんだ」  事故以後は私に依存していたからともかく、事故以前は⋯⋯そんなに私をいじめたかったのか。 「ちなみに斎藤さんをいじめに行ってたとかじゃないからね。⋯⋯いや、まぁそれもあながち間違っていないんだけど」 「間違ってないの? 」  それはいじめに来てたのか来てないのかどっちなんだろう。
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