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私なんて、中学の時のクラスメイトでさえあやふやなのに。
「それは⋯⋯すごいですね」
素直に称賛の声が自分から出る。
「褒められると照れるな。⋯⋯二人は市民体育祭で来たのか? 」
「それもあります。後、挨拶と折角来たので教室とか見て回りたいなと思いまして」
さらさらと伊藤君が答えた。
そうだったんだと内心思いつつも、真鍋先生に確かめるように見られたのでにっこりしつつ頷く。
「なるほどな。どこの教室が見たいんだ? 」
「自分たちが小3の時の教室が見たいです」
間髪入れずに伊藤君は答える。
「伊藤たちが小3の時⋯⋯果たしてどの教室だったかな」
先生は思い出すように、こめかみに手を当てる。
「たしか⋯⋯三階だったと思います。三階の、階段から二番目にある⋯⋯」
自分の記憶をたどりながら伝える。
「階段から二番目? 図書室の隣の隣であってるか? 」
「はい。そこです」
「そこか⋯⋯。今、私が受け持っているクラスだな。じゃあ、ちょっと外で待っててくれるか? 鍵持ってくる」
先生が職員室の奥に消えていく。
職員室の外へ出ると、ほっと息を吐いた。
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