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「斎藤さん、よく教室の場所覚えてたね」
「⋯⋯うん。図書室の近くっていうのは私にとってうれしかったからよく覚えてたの」
「へぇ、確かによく本教室でも読んでたもんね」
「うん」
「⋯⋯そして、鈴木によく取り上げられてたよね」
「⋯⋯うん」
顔に苦笑いが浮かぶ。
当時は本当に嫌だったな。
「よく、伊藤君が返しに来てくれてたよね。あと、こっちに来る前に引きはがしてくれたり」
「まぁ⋯⋯うん。アイツがばかすぎて⋯⋯」
ぼそっと伊藤君が毒を吐く。
揃いも揃って、鈴木をアホや馬鹿扱いするのは似てるな⋯⋯。凛ちゃんと。
職員室前で話していると、後ろの扉がガラッと開いた。
「すまない。ちょっと、用事ができてしまって。鍵だけ渡す」
先生から鍵を受け取る。
「あと斎藤と伊藤だから大丈夫だと思うんだが、生徒の持ち物には触らないように。後、鍵は帰りに返しに来てくれ」
「はい」
「じゃあ、また」
そういうと先生はすぐに職員室に引っ込んだ。
「⋯⋯行こうか」
「そうだな」
階段を上り、目的の教室にたどり着いた。そこには4-2とプレートがかけてあった。
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