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「今は4年生の教室なんだね」
「小学校は一年ごとに教室と学年配置かわるからな」
鍵のところにある金色の南京錠を片手で持ち、カチャカチャと鍵を通す。
「⋯⋯それ、コツあった気がするんだけど、斎藤さん開けれそう? 」
「う⋯⋯ん、ごめん、ちょっと厳しいかも」
南京錠に鍵をさしたまま、伊藤君と立ち位置を変わる。
数秒カチャカチャ音を鳴らした後、難なく南京錠は開いた。扉を開け、中に入る。
やっぱり、そのクラス特有の雰囲気というものが教室に染み付くようで、私たちがいたころとは少し雰囲気の違う教室が広がっていた。
でも、担任の先生が変わらないからか、黒板の上に小さな赤い達磨が置いてある所や、掃除当番表の作り方は全く同じだ。
当たり前だが、次の日の日直当番には自分たちの知らない名前が書かれている。
黒板をツツーとなぞると、自分の指に白い粉が付いた。それを手でたたき払う。
伊藤君は何をしているのかと思い、黒板に向けていた眼を動かすと、窓際の机に座っていた。
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