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「なんていうのかな…すごく不吉な子なのよ」
主宰女性が言います。
「波動なんて本当にあるのかどうかって、光尾さんは思うかも知れないけど、あるんだよ」
主宰女性はスピリチュアルに親和していて、独自の解釈をします。
そういえば、事務所の角にも盛り塩があります。
きっと、そこかしこになんとなく置いてあるものにも意味があるのでしょう。
「あの子に会った客の不幸になり具合がえぐくて」
主宰女性は顔をしかめます。
「それは本当にあの子のせいなのでしょうか?」
私は訊きます。
JKビジネスの利用者のなかでも意外と多いのが「60代がらみ」の男性です。
男性の60代前後は非常に迷走する年齢だと言われています。
定年、老い、さまざまな問題に追い詰められていて、精神に異常をきたす人が多いというのです。
私が取材していた限りでも、そのような印象は確かに見られます。
50代後半の大学教授の男性が、”ビッチ”や”あばずれ”と呼ばれるような女性を街でナンパし、その後の人生(いや、それまで積み重ねてきたものも)を台無しにしている例が身近にあります。
「なんであんなことをしようと思ったのか分からない…」
「なぜ、あの人があんなことをしたのか分からない」
そういう例が数多くあります。
ですので、何も事故りやすいJKのせいではなく、男性のほうの不安定さに理由がある…という可能性も充分にあると思うのです。
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