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主宰女性に、今のJKビジネス(都会ではない場所の店舗)についていろいろ話を聞きました。
「客はね、”若さ”を取り戻したいの。中年男になってつまらない人生に色をつけてくれる”相手”を求めてるのね」
主宰女性はくわえタバコで話を始めます。
「客にも何種類かいますよ。自分もJKと同じように若い気分に浸りたい人ね。あとはJKの若さを踏みにじりたい人。怨念系ね」
私は主宰女性の言葉にうなずきます。
「人間ってね、いつも思うけど吸血鬼だよね。人のエネルギーを奪って自分の栄養にしてる。
お客は安くない値段をJKに払う。自分たちが汗水たらして働いたカネをJKにくれてやる。
世の中をなめてるJKはそのカネを当たり前だと思う。自分の価値はそこまで高いんだと思い上がる」
主宰女性はタバコの灰を落としながら続けます。
「そのいっときのカネで、自分たちの何が買われ、何を奪われているかをわかっちゃいない」
「何が奪われていると思いますか?」
私は訊きます。
「その後の人生、ですよ。生きていくのに必要な自尊心でしょ、価値ある自分だと一時的に思うのは…光尾さん、蚊について知ってる?」
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