【ルポ】きみは半分空想の友だち【光尾取材メモ】欠けた現実を補う人間たち

2/3
82人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
主宰女性に、今のJKビジネス(都会ではない場所の店舗)についていろいろ話を聞きました。 「客はね、”若さ”を取り戻したいの。中年男になってつまらない人生に色をつけてくれる”相手”を求めてるのね」 主宰女性はくわえタバコで話を始めます。 64d58a76-3232-4fa2-870a-ee8ef83ad6cd 「客にも何種類かいますよ。自分もJKと同じように若い気分に浸りたい人ね。あとはJKの若さを踏みにじりたい人。怨念系ね」 私は主宰女性の言葉にうなずきます。 「人間ってね、いつも思うけど吸血鬼だよね。人のエネルギーを奪って自分の栄養にしてる。 お客は安くない値段をJKに払う。自分たちが汗水たらして働いたカネをJKにくれてやる。 世の中をなめてるJKはそのカネを当たり前だと思う。自分の価値はそこまで高いんだと思い上がる」 主宰女性はタバコの灰を落としながら続けます。 502f7007-63b5-4700-91f2-97b23bc25df4「そのいっときのカネで、自分たちの何が買われ、何を奪われているかをわかっちゃいない」 d755c602-84aa-4c0f-8a12-e6ed567d43cd 「何が奪われていると思いますか?」 私は訊きます。 「その後の人生、ですよ。生きていくのに必要な自尊心でしょ、価値ある自分だと一時的に思うのは…光尾さん、蚊について知ってる?」
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!