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「蚊、ですか?」
私は「なんでしょう」と答えます。
「あいつら(蚊のこと)、針刺して血を吸ったあと、しばらくのあいだ人間がかゆみを感じないエキスを注入して消えるんだよ」
「あぁ、なるほど」
「それと同じで、いつも客とJKを見てるとそれを思い出すのね。
客はカネを払ってJKを貶めている。JKはカネでごまかされているから、自分に価値があるんだ、価値がある女なんだって思い上がるけど、結局、あとになって、自分の大事なものを根こそぎもっていかれてることに気づく」
「はい」
私はうなずきます。
「男って、生きるのにものすごい消耗するから、若い女の可能性とか芽とかを摘んで花が咲かないようにするとかで発散したり、エネルギーを得たりしてるんだよ。蚊も吸血鬼じゃん?」
主宰女性は続けます。
「でも、今はJK自体が病んじゃってるから、ただの共依存状態だよね」
主宰女性がタバコをもみ消します。
「というのは?」
「面接係やってみる?」
主宰女性は二本目のタバコに火をつけて言いました。
「こっちももれなく病むよ」
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