龍の噛み痕

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久しぶりに夢を見た。 いつもひとりぼっちだった幼かった頃のわたしの夢。 ※※※ 「お!なんだ?白い蛇がいるぞ!!」 公園の隅で木の枝で突っつかれていたのは真っ白な蛇だった。 みんなでよってたかって威嚇する白蛇をつつき回している。 『美月、白い蛇はね、神様の御使いなんだよ。みんなを見守ってくれてるから、決していじめたりしてはいけないよ』 死んだお祖母ちゃんが聞かせてくれた話を思い出した。 神様の御使いなんだよと、お祖母ちゃんは庭に来た白蛇さまを手を合わせて拝んでいた。 ───お願い、いじめたりしないで!やめて!殺さないで! 鎌首をもたげた白い蛇が振り回される木の棒に傷ついてくのを見ていられなくなって、幼いわたしはみんなと白い蛇の前に割って入った。 シャアーッ ガブッ、 白い蛇は飛び出したわたしの腕を思い切り噛んで、血に驚いたみんなは我先にと逃げ出した。 残ったのは……白い蛇とふたつの赤い斑点から血を流したわたし。 白い蛇はゆらりと体を揺らすと草むらへと姿を消した。 よかった、神さまの御使いの白蛇はちゃんと逃げれたんだね。 噛まれた腕を擦りながら白蛇が逃げていった方向を見る。 そして時は流れ、白蛇に噛まれた傷痕も目立たなくなり、いつしか、そんな出来事があったことも忘れていったのだった───
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