変わっていくもの

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上の子が大学生になる頃にはもうどうしようもなかった。 といっても別に喧嘩が絶えないだとか、浮気していたとかではなかった。友梨がどうだったかは分からないが僕はそんな気は起きなかった。やっぱり心のどこかでは友梨を裏切るようなことはできない、友梨を愛していたのだろう。それでも、たった一歩も踏み出せなかった。 毎日朝に簡単な挨拶だけの会話をし、夜は帰るのが遅くほとんど顔を合わせなかった。 休日も顔を合わせてもほとんど会話がなく、気まずい時間が流れた。 そんな僕達を察してか子供たちもあまり僕には近づかなくなった。友梨には接していたが、ほとんど家にいなかった僕にはなにも思わなかったのだろう。
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