3人が本棚に入れています
本棚に追加
気づいた時には
現在、僕はある病院の一室にいる。
数ヶ月前、医者から余命宣告を受け、ターミナルケアを受けていた。
今でも時々思う、なぜ、友梨との関係が変わっていってしまったのか、一体何がいけなかったのか、どうすれば修復できたのか。
でも余命宣告を受け少しだけ昔に戻れた気がした。
友梨はよく見舞いに来てくれ、僕そばでいてくれる。もうほとんど声も出せない僕に語りかけてくれる。
「昔は楽しかったわね。」
「あの時行ったお店、今2代目が継いでるのよ。」
「なんで私たち変わったんでしょうね。」
友梨の一言一言が僕の胸に響いた。
もう全てが遅い、もう僕は死ぬ。友梨との間が戻ることは無い。昔のように過ごすこともできない。
僕はやっぱりただただ友梨が好きだった。
僕はただ涙を流すことしか出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!