死がふたりを繋ぐとき

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死がふたりを繋ぐとき

暫くは穏やかな日々を過ごしたが、ついに迎えの日が来た。 もう僕の命は尽きる。医者も看護師も手は尽くしてくれた。本当に感謝している。 彼らのおかげで最期に良い時間を過ごせた。 子供たちと友梨が病室に来てくれた。 3人とも涙を流している。 子供たちが涙を流してくれるなんて本当に嬉しかった。仕事に逃げていた父親の死に際に来てくれるなんて、本当に嬉しいことだ。 友梨は僕の手を握っている。 その手はとても震えていて、友梨の気持ちが何となく伝わった。 ああ、愛していたよ友梨、素直に言えなかったけどずっとその気持ちは変わらなかった。 そんなことを考えていたら友梨の口が開いた。
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