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ダイニングテーブルには深山家の大黒柱である母・深山優が夕飯の配膳をしていた。
「うわあ美味しそう……」
雫が今にもよだれが出そうな顔で言う。それにお母さんは笑った。
「今日はたまたま牛肉が半額だったからビーフカレーよ」
「サイコーすぎ!!」
子供達三人が夕飯のテーブルにつく。
ご飯を食べながらお母さんは尋ねた。
「そういえば哲と凪、大学はどうしたの?」
「俺ら二人とも全単位取ったから大学しばらくいかなくていいんだよね」
「あらそう」
哲と凪は二人とも同じ国立大学に通っていた。関係ないが哲はテニス部、凪は数学研究同好会に所属している。
「藍はまた図書館?」
「うん」
「いいことね」
お母さんがふっと笑った。お母さんは同年代の母親と比べて、子供たちにかなり自由な生活を送らせている。
基本行動は各自で決めるし、それで起きた責任も自分で取る。それが深山家のルールだ。
「謎解きの調子は?」
その母親の言葉がTwitterでの日常の謎を募集していることについてだと気づいて哲が答える。
「うーんぼちぼちって感じかなあ。不倫の相手確認とか、猫探しとか。そういうのは大抵断ってるけど」
「あら、そうなのね。でも何も起きないのはいいことじゃない」
「まあ確かにそうなんだけど」
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