謎解きの始まり

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何も起きないことは時につまらない。平穏で平和な日常というのは誰しも望むものだが、平和すぎるのはつまらないのだ。 凪の貢献もあってTwitterに謎を相談してくれる人が大分増えたのはかなり嬉しいことだが、そのほとんどが俺たちを便利屋か何かと勘違いしているような不倫相手の特定や猫探し、犬探しである。 「もっと本格的な謎解きがしたいよおおー!」 哲が突然発狂した。 「哲うるさい」 凪が冷たい口調で哲に言う。それを無視して哲は続けた。 「ああ、もう毎日何も起きないのつ゛ま゛ら゛ーん゛!」 「それは私も一緒だけど実際何も起きないんだしさ。謎がこっちにくるのを待つしかないよ」 雫の声に哲がしょぼんとなる。 「やっぱそうだよなあー!待つしかないかあ」 「石の上にも三年。頑張るのだ哲」 「3年も待ってられん!」 「19歳でしょ?そのくらい我慢しろ」 「うわあん、雫がこわあい」 「精神年齢何歳だ」 会話にふふっとお母さんが笑った。 「謎解きの活動、お母さん応援してるから頑張ってね」 そう言ってパチン、と茶目っ気たっぷりにウィンクする。 「はいっ!」 そのお母さんの言葉に哲が直立不動の姿勢で敬礼した。
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