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二〇〇九年一月五日。
寒い、寒い、寒い。京都の冬はどうしてこんなにも寒いのだろう。盆地だから、市内を鴨川が走っているから、琵琶湖ほどの水を地下に湛えているから。
いろんな理由を聞いてきたけれど、私は思う。年頃なのに恋人の一人もいない学生たちのそこはかとない寂しさがこの街を覆っているからではないかと。葵橋西詰をさらに西へ入ったところにぽつねんと佇む簡素な学生アパートの一室で、私はそのような答えに至った。
したがって寂しさと寒さは比例する。
昨晩、実家からこの街に戻ってきた私は八条口バスターミナルに降り立つなりさっそく友人に招集をかけた。そのままこの部屋で飲んで、今だ。ベッドから顔を出す。カーテンの隙間からは仄白い明かりが差し込み、東へ向かう人々のやや速めの足音が窓の外から聞こえる。みんな出町柳から通勤快急に乗るのだろう。世間は今日から仕事始めだ。
枕元に置いていたケータイが震えたのはそのときだった。同時に『イージュー★ライダー』が流れる。
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