ファザコン

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その日、由美ちゃんが家に着た。 リュクサックを背負って5歳なのにしっかりしていた。 「今日から宜しくお願いします。」 そう言って頭を下げた。 「由美ちゃんはしっかりしてるな。 理子もお姉さんだから、ちゃんと面倒見るんだぞ。」 大好きなお父さんがそう言った。 「はい。分かった。」 そう言ったけど、なんで由美ちゃんの面倒を見るのか分からなかった。 由美ちゃんの家は隣のアパートの1階の部屋 だ。 お婆ちゃんとお母さんと由美ちゃんの3人で住んでいた。 お婆ちゃんは体が不自由だ。 片方の手と足が麻痺してる。 お母さんは派手な人だった。 由美ちゃんのお母さんが何処かに行ってしまったらしい。 我家は一軒家にお父さんとお母さん、6年生のお兄ちゃんと2年生の私の四人暮らしだ。 でも、今日から由美ちゃんも一緒に住むらしい。 お父さんがそう決めたから従うしかない。 よくわからない大人の事情だ。
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