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あぁ好きだ。
すきの気持ちが溢れる。
男女両方から人気がある君。
よく女子に話しかけられて、周りには可愛い女の子がいっぱいいた。でも、お昼の休憩時間のほんの僅かな時間だけ。
私の時間になる。
ニキビが無くならければいいのに……そう思う自分がちょっといる。
周りの子に負けないように、運動したり、肌にいい食べ物をネットで検索してみたり、君と共通の話題が欲しくて、色々模索した。
薬を塗りあう私たちを、羨ましがる女子もいたが、君は私にだけしか塗ってくれなくて、それが嬉しかったりもする。
どういう気持ちなのか……。
女の子として見られてないのかな??
昼休み前、君が来る前にリップを塗ってみた。
親友に相談すると、まつ毛をあげてくれ、髪の毛を編み込んでくれた。
少し離れた場所から、私のことを見守ってくれる親友は、君が来た時は、2人にしてくれる。
「あれ??」
とポーチを机に置きながら。
「なんかいつもと違う」
そう、顔をマジマジと見てくる。
「そう??」
というと、
「はい、薬塗ったげる」
そう、人差し指に薬を取り、鼻のてっぺんの小さくなったニキビに塗っていく。
「てか、最近キレイになった??」
「えっ??」
「てか、可愛くなった……」
いきなりの言葉に、心臓が跳ねた。暴走する心臓、
「ははっ、耳まで真っ赤」
という君は、からかってるのだろうか。
「はい、つぎ交換。塗って」
と渡してくる君は、そのあと目を閉じた。
待っている姿はまるで仔犬みたいで。
「仔犬みたい」
と、クスッとわらいながら薬を塗ると。
「じゃあ飼ってみる??」
と目をパチッと開いた。
キュンとしてしまった私は、まだ告白する勇気がない。
「なんてね」
とポーチに薬をしまって、男子のグループに戻っていく。完全にからかわれてる気がする……。
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