ラスピラズリが降る夜に

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「母さん、もう買い物も終わり? 露店も日没だから引き上げてるよ」 「そうだね。もう帰ろうか。まぁ、困ったら魔法で食料を出せばいいさ、魔力が尽きるほどの魔法なんて魔人を生き返らせるぐらいしないと無理だからね」 「そっか、でも、そんな機会ないよね。大体のラピス族は二百年近く生きるんだから」 「むかーし、魔力が尽きて、髪の毛が黒くなったご先祖様が居るって聞いたけどねぇ。寿命も百年ぐらいになったとか。でも、その人は魔力が尽きたおかげで周りの魔族にも人にも忘れられちゃったから、ラピス族じゃ無くなったらしいけどねぇ」 「そうなんだ…」 「普通の生活していたら、魔力なんてなくならないよ」  僕はこの町から出て、違う世界を見てみたいけれど、ここから出て違う町で生きていく事に対しては全く自信がなかった。  来月で僕は十五歳になる。  ラピス族で言う十五は一人前に値する。採掘湖に一人で行き、鉱石を発掘し、親元を離れる事が決まっている。まぁ、離れると言っても同じミラッド内なので、顔は合わすし、世帯が別になる、と言うだけだ。 「母さんが、ノゼにバリアを掛けるのも後少しの間だよ。と言うか、もうあんた自分でバリアぐらいかけなさいよ。学校だって首席で合格して、魔力計でもあんたの魔力は測りきれないって先生方も言ってたんだから、母さんがあんたにバリアをかけてほしいぐらいだよ」 僕は、うん、と返事をした。 「何が、うん、だよ。魔力の出し惜しみだね」
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