ラスピラズリが降る夜に

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***  魔法で空腹は癒せたが、孤独は癒せなかった。町に行くと同胞達は人間達から「ラスピ狩り」に遭った。  僕は人間達から逃げるのに必死だった。  魔法を使い、人間に感知されないように身を隠しても、彼らは特殊なメガネを装着し、ラスピ族を見つけ出した。  想像を超えて人間は残酷な生き物だった。躊躇いなく「ラスピ狩り」をする人間を見て、憧れを抱いていた気持ちは見事に砕け散った。  彼らはラスピ族を見つけたら、ピストルから縄を放ち、身柄を拘束した。その縄に掛かった途端、魔法は使えなくなる様で、抵抗していた仲間は途端に力を奪われ、その場で崩れ落ちた。捕獲された仲間は、人間に蹴られ、殴られ、奴隷のように扱われた。そして、縄につながれたまま、魔法が使えなくなる黒い鉄格子の牢屋に入れられ、星の中枢機関に収容されて行った。  魔法で探った情報では、ラピス族は魔人兵器として宇宙戦争で使用される予定だった。現在、星同士の交戦は一旦静まってはいるが、いつ隕石の落とし合いを始めるのかは秒読みに入っているとの事だった。
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