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日曜日の墓参り
ハチをもらった翌日、こんな子犬が何の役に立つんだろうと思った。
学校に向かう途中、誰かれ構わず吠え立てる。通りすがりの人、通りすがりの霊。唯一の例外が、神山だけ。廊下を歩きながらたまりかねた俺が「ハチ、うるさい」と小さく怒ったら、『くぅん』と情けない声を出して、姿を消した。
びっくりした俺は、休み時間に神山のお母さんにこのことを伝えた。神山のお母さんは、ハチは隠れただけで側にいると教えてくれた。そして、ハチは小さ過ぎて分からないことが多いから、ちゃんと教育しないとダメだとも教えられた。
その日から、俺はハチを教育することにした。生きてる人に吠えちゃいけないこと、そこにいるだけで無害な霊は無視していいこと。それこそ、ばあちゃんに教えられたように。ハチは、俺が教えたことをすぐに覚えた。生きてる人に吠えることはなくなった。
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