「あの過去形、修正してよ。」

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"常務…現社長は、覚悟を決めたわよ。 会長を更迭する。" 「、」 "今までは、一応売名っていう名目であの人は好き勝手やってきた。でも今回は違う。 志麻や穂積昴の名前を利用して、ドラマの宣伝を理由にテレビ局から金銭を受け取ってるの。完全に私利私欲のための行動よ。知名度を理由に志麻をあんなに傷つけておいて、今度はそれを利用しようとしたの。 私は絶対許さない。" 「香…声が本気トーンすぎだよ。」 "当たり前じゃない。末代まで呪うわ。 …やだ、社長のことは呪いませんよ。というか時間無いんですから仕事に集中してください。" 自分の会社の社長にこんな態度で接するのは香くらいだろう。うちのマネージャーは本当に逞しい。 "明日臨時の株主総会で、人事に関する承認を貰う予定。今、わたしも社長も大急ぎで準備してる。 そろそろ秘書手当貰いたいくらいよ。 …志麻、もう大丈夫だからね。" 「……ありがとう。 香、田端さんのこともまたちゃんと聞くからね」 「ぶっ」 ずっと傍で聞いていた田端さんがお茶を吹き出した。 "……なんのこと?そろそろ切るわね! あ、きちんと今日中に化粧は落としてね、あとストレッチも忘れずに、それから…" 翠が途中で通話を切った。 なんて命知らずな奴だ。
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