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だけど。志麻に出会って、もうそんな悠長なことは言ってられなくなった。
俺の話を聞いて、「どうやったらそうなれるの」なんて悔しそうにこちらを見る志麻に、恥ずかしくない自分で居たいと。
柄にもなくそんなことを考えてしまったなんて、志麻に出会う前の俺はきっと信じないだろう。
核心に迫るためにも、わざと写真を撮られてカメラマンからの証言も取るしかない。
そう言ったのは俺だが、きっと傷付くであろう志麻を思い、築島さんは一度は反対した。
今、築島さんからの情報でゴシップから逃れられたとしてもそんなものはいつか限界がくる。
__何より、俺が留学に行った後。
今度は別の奴をターゲットにして、また志麻が巻き込まれる事態は耐えられない。
ここで、一度食い止めるしか無い。
そう、自分でも分かる苦しい声色で伝えると築島さんも了承してくれた。
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