【後日談3】

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記者達が好奇心と期待の入り混じった視線で、志麻の反応を待つ。 数秒間、隣の志麻は動くこともせず、じ、と前を見つめていた。 何か俺がフォローすべきか、そう思いマイクを手にしようとした瞬間だった。 「良いですよ、お教えします。」 静寂に、彼女の澄み通った声が響く。 「______追いかけて、追いかけて、追いかける。 以上です。」 「、」 「良い作戦でしょう?」 なんて、悪戯が成功したかのようにあどけない、まるでミハネを思わせるかのような愛嬌たっぷりの笑顔で、志麻はそう言った。 目の前の記者達が、その笑顔に惚けたような気の抜けた顔になる。何見惚れてんだよ。 質問をした記者も同じように間抜け面だったが、はっと我にかえり、焦った声色で志麻へ言葉をかけた。 「そ、それはつまり、やはり志麻さんがアプローチをし続けたということですか…!」 「私、この人が見てる世界を見てみたかったんです。 隣に、並んでみたかった。 だからずっと追いかけました。それだけです。 アプローチなんて素敵なことは出来てませんでしたけど、私が、ずっと好きだった。 それは何も間違いでは無いですよ。」 そう言って、やはりふわりと笑う志麻の横顔はとても綺麗で。 記者からの煽りを、受け流すでも誤魔化すでもなく、 "私が、ずっと好きだった" なんて、堂々と認める彼女に、俺の胸はチリチリと焦れて今すぐここで、触れたくなってしまった。 好き勝手に言われる部分もある、そうマネージャーの2人は忠告してくれた。 キレるなよって俺のことばっかり心配してたけど、もう充分、俺の奥さんもこれはある意味キレてると思うんだけど、その辺りはどうしてくれんの。 悪いけど、俺ももう我慢しない。
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