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「……私は、別に良かったのに。」
「ん?」
「…翠が遊び人っぽく言われてたのは気になるけど。
私が、スイをなんとか振り向かせられたって、そういう世間の考え方をわざわざ否定する気無かったよ。」
《すき》、なのは本当なんだし、
と、1番肝心な部分は相当小さな声で呟いた志麻に、俺の胸は大きく脈を打つ。
「馬鹿だな、ちゃんと皆さんにも知っていただかないと。」
「何を。」
「俺が、志麻を好きで仕方ないってこと?」
戯けたようにそう言った俺に、志麻は小さく息を溢すように笑って。
それから、
「会見も生中継も、もう2度とごめんだけど。
翠と並んで話するのは、ちょっと、楽しかった、かな。」
なんて、さっきからずっと可愛いことばかり言ってくれるその口を塞ぐように、引き寄せてキスをした。
【後日談03】
誓うならば
所謂、やめるときも健やかなる時も、ってやつ?
別に、神様も世間も、興味はないから
俺の腕の中笑う、愛しい彼女だけに。
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