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"売名行為、しとく?"
3年前、ガレージで翠はそう言った。
あの時からずっと、信じてくれてありがとう。
そう言えば、当たり前だろ、と言って綺麗な瞳を優しく細めて翠は笑う。
その後、
「くたばれ、は痺れたなあ」
とからかってきたので強めに殴っておいた。
照れるな照れるな、と、それでもなお緩んだ表情を見せる奴に私は脱力した。どんだけポジティブなんだ。
それに、とつづけた翠は、
「__3年で追いついてくるんだから、
やっぱ志麻には敵わない。」
そう、本当に嬉しそうに言った。
言葉の意図が読み取れず戸惑う私に、
葉子さんは3年ぶりに脚本を書き下ろしたと告げる。
「___志麻と、翠のダブル主演でいくつもりなんだけど、異論はある?」
にやり、翠とよく似た顔で笑う葉子さん。
やっぱり、同じ血が流れてる。
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