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「…ふーん。今日も被ってるんだ。」
「最近事務所に、電話がかかってくるって言っただろ。それによると、今日注意しろって言ってて。
調べたら、やっぱり國立さんもこの放送局で撮影中みたいだな。」
「…電話ねえ。比佐、心当たりあるんでしょ。」
事務所にかかってくる非通知の謎の電話。
この日はカメラに注意してくださいという嫌に細かい内容で、いつもその日は國立志麻と撮影場所が被る。
電話が単なる悪戯では無いと分かった時、比佐はとても複雑そうな表情だった。あまり深くは聞いてこなかったが。
「……なに、昔の女?」
「その言い方やめろ。」
疲れた顔で溜息を吐く比佐は、否定をしない。
まじかよ。
「……昔じゃない。」
「…は?今?比佐、彼女いたの。」
「…今でも無い。」
「何だよそれ。」
気まずそうに視線を逸らす比佐は、それ以上口を割ろうとしなかった。
なんだ?好きな奴ってこと?
俺のマネージャーはどうやらなかなか純な恋愛をしているらしい。
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