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「じゃあ、行くか。」
俺は椅子から立ち上がって軽く伸びをする。
「…は?もう撮影始まるけど。どこ行くんだよ。」
「國立志麻のとこだよ。」
「は!?」
「その電話信じて、これからもカメラに怯える生活するなんてゴメンだね俺は。
さっさと決着つけよーぜ。
言っただろ、俺もそろそろキレるって。」
「……お前…」
ますます、比佐の顔には疲労の色が滲んでいたが。俺は笑って國立志麻の楽屋へ向かった。
向かう途中も隣で「頼むから余計なこと言うなよ!?というか本当に行くのか?」と焦る比佐をスルーした。
事務所に命じられて仕掛けてくるつもりなんだろうし、ちょっと軽く脅せば終わるだろ。
そう思っていた俺は、完全に予想を裏切られるわけだけど。
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