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「…俳優仲間。翠、お前そう言ったよな。」
いつかと同じ、仁王立ちの比佐はそう俺に問い詰める。
そうだと、言いきれる関係に過ぎない。
だって、俺と志麻の間には、"何も"、無い。
でもいつの間に俺は、志麻にその呼称を使いたくなくなっていたんだろう。
「比佐。
こんなくだらないこと、絶対に俺が止めたい。」
馬鹿かも、俺。
リネンプロ全体で、どうせ仕組んでやってることだって決めつけてちょっと脅せばいいなんて軽い気持ちで近づいて。
相手が何も知らない可能性を、最初から考えてもいなかった。
志麻、どうしたらお前のこと守れる?
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