flavorsour 第三章

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そしてその日の終業時間。いつも通り鳴り響くチャイムを聞きながらデスク上を整頓してフロアを出た。 (さてと、榛名さんの方はどうなんだろう) 夕食の支度は連絡を取りつつどちらか出来る方がすると決めていた。なので早速連絡をしようと携帯を取り出すと同時にピンッ! と受信音が鳴った。 画面に表示されたのは今まさに連絡を取ろうとしていた相手。 (何、このタイミングの良さ?!) 一瞬、怖っ! と思ったけれど手間が省けたと思い直して確認した。 【仕事終わった? 俺も終わった。会社近くのコンビニ前で待っているから】 (……は? コンビニで待っているって……) 一瞬理解出来なかったメール内容。というか、彼の終業時間は一体いつなのだ。 私の勤める会社と彼の勤める会社は公共交通機関を使うほど離れている。彼の会社から真っすぐうちの会社に来たとしても早くて30分はかかるだろう。 (あぁぁぁ~~~また分からないことが増えた) なんて思いながら私はコンビニへと向かって歩き出した。 メールを受け取ってから数十分後、コンビニまでやって来ると榛名さんが手を振っていた。 「蘭ちゃーん」 「!」 (ちょっとぉぉぉ──!) 少し焦りながら周りをキョロキョロと見た。幸いなことに会社の人や知り合いがいなかったことに安堵した。
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