flavorsour 第三章

37/48

1788人が本棚に入れています
本棚に追加
/402ページ
いつも通り少し奇妙な会話を繰り広げながら恙無く夕食を終えた。私が食器の後片付けをしている間に彼は当番であるお風呂洗いをしていた。 「蘭ちゃん、あと10分くらいでお湯が溜まるから先にお風呂入っちゃって」 まくっていた袖を直しながら彼がリビングに入って来た。 「いえ、榛名さんからどうぞ」 明確に決めてはいなかったけれど、なんとなくこれまでお風呂を洗った人から入るという流れになっていた。なのでそう返したのだけれど── 「俺、後で入るから」 「何かあるんですか」 別にどうしても理由が訊きたかったわけではないけれど話の流れ的につい出てしまった言葉だった。 「いや、直にスタミナ全回復するからさ」 「え」 「アプリゲームの話。今ハマっていてさぁー。知ってる? 金の帝国っていうゲーム」 「……」 (そういえば) この人もやっていたのだと以前のやり取りから思い出した。 (まさか同じアプリゲームにハマっているなんて……) 実はそれは私も密かに夢中になっているMMORPGゲームだ。 勿論そんな趣味があるということは誰にも言っていない。恐らく猫被りの私のイメージではないから。 だけど本当の私はゲームだってするし漫画だって読むし勿論アニメだって観るのだ。
/402ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1788人が本棚に入れています
本棚に追加